今朝、Fly.ioからメールが届きました
今朝4時28分、Fly.ioからメールが届きました。件名は「Give your agent its own computer」。AIエージェントに専用のコンピューターを渡そう、という案内です。
本文によると、私のFly.ioアカウントには、まだ使っていないSpritesのクレジットが30ドル分あるとのことでした。案内されていたSpritesは、エージェントが使えるLinuxのコンピューターで、セッションをまたいでファイルを保存でき、使わない間は休眠するそうです。
メールには、CLIのインストール、ログイン、Spriteの作成という3つのコマンドも載っていました。そこを入口に、何が残る環境なのか、どこに料金がかかるのかを調べてみました。
以下は、2026年10月10日に確認した公式情報の整理です。メールの受信日時を、サービスの発表日として扱うものではありません。
Spritesは、作業環境を保存できるLinuxコンピューター
公式の概要では、Spritesは永続的なLinux環境として説明されています。永続的というのは、一度の実行で使い捨てるのではなく、作ったファイルやインストールしたものを次の作業にも持ち越せる、という意味です。
用途としては、AIが生成したコードの実行、開発環境、Gitリポジトリを使ったテストなどが挙げられています。依存パッケージを入れ、コードを変更し、ビルドやテストを行う一連の作業を、クラウド上の環境へまとめられます。
たとえばWebサイトの修正なら、リポジトリと必要なツールをSprite側に置き、その環境で確認する形です。手元のPCに検証用のパッケージを次々と追加する作業を減らせる、という使い方が考えられます。
AIエージェント向けの環境として紹介されていますが、人間がコマンドを実行したり、対話的なシェルへ入ったりすることもできます。Quickstartには、その両方の使い方が載っています。
休眠後に残るものと、チェックポイント
Working with Spritesによると、ファイル、インストール済みパッケージ、Gitリポジトリ、ディスク上のデータベースは休眠後も残ります。次にコマンドやHTTPリクエストが来ると、Spriteが起きて作業を再開できます。
ただし、ファイルが残ることと、実行中のプロセスがそのまま続くことは別です。同資料の「What Persists (and What Doesn’t)」では、RAM上のデータや実行中のプロセスは保持されないと説明されています。Webサーバーなどを復帰時に起動するには、Servicesという自動起動の仕組みが案内されています。
もう一つの機能が、ある時点の状態を保存するチェックポイントです。製品ページのCheckpointsでは、保存対象は書き込み可能なファイルシステム全体とされています。コードだけでなく、追加したパッケージやディスク上のデータも含まれます。
復元すると、その時点のファイルシステムへ戻ります。停止したプログラムの途中から実行を再開する機能とは説明されていません。また、復元先より後の変更は失われるため、残したい成果物がある場合は、復元前に退避が必要です。
Gitで管理するソースコードに加えて、パッケージの導入など環境側の変更も戻せるのが、この機能の役割です。
「作業中だけ課金」は、ストレージも含めて読む
メールには、使わない間は休眠し、作業している間だけ支払うという説明がありました。計算資源については、公式資料でも休眠中の課金はないとされています。
一方で、保存データのコールドストレージ料金は残ります。ホットストレージは稼働中に課金され、コールドストレージはデータを保存している間、休眠中も課金されます。公式料金表を読むと、この区別が分かります。
確認時点の従量料金は次のとおりです。通貨は米ドルです。
| 項目 | 単価 | 課金される期間 |
|---|---|---|
| CPU | 0.0385ドル/CPU時間 | 稼働中の実際の使用分 |
| メモリ | 0.021875ドル/GB時間 | 稼働中の実際の使用分 |
| ホットストレージ | 0.000683ドル/GB時間 | Spriteが稼働している間 |
| コールドストレージ | 0.000027ドル/GB時間 | データを保存している間(休眠中も含む) |
CPU時間やGB時間は、使用量を時間と組み合わせた単位です。単にSpriteを何個作ったかで一律に料金が決まる、という料金表ではありません。
30ドル分についても、今回のメールは私のアカウントに未使用のクレジットがあるという案内です。公式FAQにはトライアルクレジットの説明がありますが、誰でもアカウントや組織を増やすたびに受け取れる条件ではありません。また、クレジットはSpritesの使用料に適用され、月額プランの基本料金は別とされています。
メールの30ドルを、そのまま「何時間使える」と換算することはできません。実際の消費は、CPU、メモリ、保存データの使用量によって変わります。
公式の始め方を確認する
ここでは、macOSまたはLinuxのシェルとFly.ioアカウントを前提に、現在のQuickstartに掲載されている手順を紹介します。以下は操作結果の記録ではありません。
まずはCLIのインストールです。次のコマンドは、公式サイトから取得したスクリプトをその場で実行します。
curl -fsSL https://sprites.dev/install.sh | sh
Quickstartによると、スクリプトは実行環境を判定し、チェックサムを検証して、CLIを ~/.local/bin に配置します。インストールの確認と認証は次のとおりです。
sprite --help
sprite org auth
認証ではブラウザを開いてFly.ioへログインします。届いたメールと製品ページは sprite login を案内していますが、確認時点のQuickstartには sprite org auth が載っていました。この記事ではQuickstartの記載を採用しています。
認証後は、名前を付けてSpriteを作成し、操作対象として選びます。
sprite create my-sprite
sprite use my-sprite
選択したSpriteでコマンドを実行するには sprite exec、対話的なシェルへ入るには sprite console を使います。
sprite exec -- ls -la
sprite console
作成した環境で実際に作業を始めると、使用量に応じた料金が発生します。試す際は、アカウント側のクレジットと使用量を確認しながら進めるのがよさそうです。
今回の案内を調べて分かったのは、エージェントに渡す作業場所を用意し、そのファイルや導入済みツールを次回にも持ち越せる、という仕組みでした。導入のしやすさや実際の速度、作業ごとの費用については、公式仕様だけでは判断できない部分です。