LinuxとWindowsどっちがいい?WSL使うくらいならLinuxという選択肢とOfficeの壁

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  1. 01 結論:用途と環境次第、個人使用ならLinuxは十分な選択肢
  2. 02 Windows 11の「Recall」問題
  3. 03 Win10サポート終了:行き場を失ったPCたち
  4. 04 WSLを使うくらいなら最初からLinuxでもいいじゃない
  5. 05 Officeの壁:「Excelでください」「ずれた」問題
  6. 06 Chromebookという第3の選択肢
  7. 07 結局どうすればいいか
  8. 08 まとめ
  9. 09 参考文献

結論:用途と環境次第、個人使用ならLinuxは十分な選択肢

「LinuxかWindowsか」という問いは、完全にケースバイケースです。会社からWindowsが支給されているなら選択の余地がないし、周囲が全員Officeユーザーなら互換性の壁にぶつかる。ただ、個人でPCを使う場合、特に開発をするなら、Linuxは今や十分現実的な選択肢だと思っています。

筆者の現在の環境:

  • Windows(デスクトップ):Office・BlueStacks・軽い動画編集用
  • Linux Mint(ラップトップ):一番使っている
  • Chromebook:VSCodeがとにかく重く、用途が限られる

Macは価格帯の都合もあり、日常的には使っていません。


Windows 11の「Recall」問題

2024年にMicrosoftが発表した「Recall」機能が話題になった。数秒ごとに画面全体のスクリーンショットを撮り続け、それをAIが検索できるようにするという「PCの記憶力」機能です。

問題は、当初の仕様がデフォルトでオンであり、スクリーンショットから抽出された内容が検索しやすい形で扱われる設計だったことです。対象にはパスワード、チャット内容、銀行情報、SignalやWhatsAppの「消えるメッセージ」のような機微な情報も含まれうるため、プライバシーの観点から強い批判を受けました。

2025年4月にWindows Insider向けに改良版が公開され、以下が変更されました。

  • デフォルトでオフになった(ユーザーが明示的に有効化する必要がある)
  • **Windows Hello(生体認証)**が利用に必須
  • データが暗号化されて保存されるようになった

ただし、改良されたとはいえWindows全体のテレメトリ(使用データの外部送信)はユーザーが制御できる範囲に限界があります。OSレベルで様々なデータが送信されることへの懸念は続いており、「Windowsの個人情報が心配」という声が増えている背景のひとつです。


Win10サポート終了:行き場を失ったPCたち

2025年10月14日にWindows 10のサポートが終了。 これ以降、セキュリティアップデートが提供されていません。

問題は、Windows 11のハードウェア要件が厳しいことです。

  • TPM 2.0が必要
  • UEFI/Secure Bootが必要
  • Intel 第8世代以降、またはAMD Ryzen 2000番台以降が必要

6〜8年前のPCはこれを満たせず、Windows 11に公式アップグレードができません。Microsoftの案内は「$30/年の延長サポート(ESU)」か「新しいPCに買い換え」ですが、まだ使えるPCを廃棄するのは抵抗があります。

このようなPCへの現実的な延命策として、Linuxへの移行が選ばれるケースが増えています。特にLinux Mintは:

  • Core2 DuoやCore i第1〜3世代などの古いハードウェアでも、軽作業中心なら動かしやすい
  • Windowsに近いデスクトップ環境(Cinnamonデスクトップ)でとっつきやすい
  • さらに古いPCにはXfceエディションが軽量でよい

という理由から、我が家でも導入されました。ただし、古いPCではブラウザのタブを大量に開く、動画を高画質で視聴する、といった用途まで快適とは限りません。延命できるかどうかは、用途の切り分け次第です。

Linux Mint公式フォーラムでは「e-wasteへの抵抗としてMintをWindows 10の代替として提案する」というスレッドが立つほど、この用途での注目度は高い。


WSLを使うくらいなら最初からLinuxでもいいじゃない

Windowsで開発するとき、WSL(Windows Subsystem for Linux)を使う人は多いと思います。Bash環境が手に入り、DockerもGitも動く。

でも、「WSLを使うためにWindowsを使っている」という状態になっているなら、最初からLinuxを使えばいいのではないか、と感じることはあります。

  • WSLはWindowsのリソースを消費しながらLinux環境を動かしている
  • ファイルシステムへのアクセスは/mnt/c/経由になり、ネイティブより遅い
  • Windowsのアップデートや再起動がWSL環境にも影響する

ネイティブLinuxならこうした制約がありません。VSCodeはLinux版があり、DockerもそのままDockerとして動く。開発ツールの多くはLinuxファーストで設計されているため、ドキュメントやStack Overflowの情報もそのまま使えることが多いです。

もちろん、WSL自体が駄目という話ではありません。プロジェクトをLinux側のファイルシステムに置けば十分実用的ですし、Windows専用アプリとLinux系ツールを同じPCで併用できる利点も大きいです。それでも、Windows固有アプリが不要で、開発が主目的の個人PCなら、最初からLinuxを選んだ方が構成は素直です。

ただし、これは「個人PCで開発する場合」の話。 会社から支給されているWindowsなら、何を使うかは自分では決められないので、WSLで妥協せざるを得ません。


Officeの壁:「Excelでください」「ずれた」問題

Linuxに移行するときの最も現実的な壁が、Officeとの互換性です。

LinuxにはLibreOfficeがあり、Word・Excel・PowerPoint形式を開いて編集できます。ただし、

  • フォントや書式のずれ:日本語フォントや特定の書式が崩れることがある
  • マクロ:ExcelのVBAマクロはLibreOfficeではそのまま動かない
  • ファイル共有時:「Wordファイルで送ってください」という相手にLibreOfficeで作ったものを渡すと、レイアウトが崩れるリスクがある

「Excelでください」「Wordでください」「ずれた」という状況は、今でも普通に発生します。

個人用途で作成して自分だけが使う文書ならLibreOfficeどころかGoogleのドキュメントでも十分ですが、取引先・学校・職場とファイルをやり取りする場合はそうもいきません。Linuxでもブラウザ版のOffice(Microsoft 365 for the web)を使えばいいと思うかもしれませんが、マクロ(VBA)が動かない、複雑な図形や書式のレイアウトが微妙に崩れる、巨大なExcelファイルだと動作が極端に重くなるといった制約が多く、結局「ネイティブのデスクトップ版」でなければ完結しない仕事が確実に存在します。さらに、業務ではVPNクライアント、周辺機器の専用ドライバ、特定の商用アプリがWindows前提になっていることもあり、この点もLinux移行を難しくします。筆者がWindowsデスクトップを手放せない最大の理由のひとつは、このOffice環境です。

しかし、今のOfficeがかつてのような数万円する「買い切り型」だけでなく、月額制のサブスクリプションで常に最新バージョンが使えるようになったのは嬉しいポイントです。

実際、高度な編集が必要ない時期はサブスクを停止して無料のブラウザ版で済ませ、本格的な作業が必要な月だけ契約を再開するといった柔軟な運用ができるため、お財布にも優しい仕組みだと感じています。

マクロという単語が出た時点で、互換性の議論はかなり厳しくなります。


Chromebookという第3の選択肢

一時期はChromebookをメインで使っていましたが、現在は補助的な位置づけです。

よい点

  • 起動が速い、軽い
  • セキュリティが堅牢(アップデートが自動、マルウェアに強い)
  • ChromeOS上でLinuxアプリも動くようになっている(Crostini)

気になる点

  • VSCodeがとにかく重い。ChromeOSのLinux環境(Crostini)上で動かせるが、快適とは言いがたい
  • 用途がWebブラウジング・ドキュメント作成・動画視聴に向いており、開発用途には厳しい(ハイスペックモデルは別)

Chromebookは「ネットとドキュメントしかしない」なら十分すぎるくらいだが、コードを書くならやはり別のデバイスが欲しくなります。Windowsへのリモートデスクトップは快適でした。


結局どうすればいいか

ケース推奨
会社支給のWindowsを使っているWindows(選択肢がない)
個人PCで開発・WSLを使っているLinux(Ubuntu / Linux Mint)
Win11にできない古いPCLinux Mint(Cinnamon or Xfce)
Officeファイルを頻繁にやり取りするWindows(または両方持つ)
普段使いのみ・開発不要Linux MintでもChromebookでも
動画編集・ゲーム・AndroidエミュレーターWindows
予算を気にしないMac(高嶺の花)

※個人の感想です


まとめ

WindowsのRecall問題に代表される個人情報への懸念と、Win10サポート終了で行き場を失った古いPCの存在は、Linuxへの移行を検討する現実的な理由になっています。特に「Win11にアップグレードできない古いPC」へのLinux導入は、今すぐ試せる選択肢です。

「WSLを使うくらいなら最初からLinux」という論理も、個人PCであれば正しいと思います。開発環境としてのLinuxは十分成熟しており、多くのツールがネイティブで動きます。

ただし、Officeの互換性、周辺機器や商用アプリの対応状況といった壁は現実に存在します。

今のところ自分には、Linuxをメインにして、必要なときだけWindowsを使うくらいの距離感が、いちばん無理なく続けやすいところです。

参考文献

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